発売日:2024年7月31日
ゆず18thアルバム。前作「SEES」から2年ぶり。前作以降の配信シングル4曲に加え、発売直前には「図鑑」「伏線回収」が先行配信された。
当方ゆず歴15年…気づけば人生の約半分ゆずを聴き続けている(!)わけだが、リリースから1年経っての改めての感想は正直「可もなく不可もなく」といったところ。
「Chururi」や「十字星」など確かな名曲も入っている(特に「Chururi」は気づけば脳内で口ずさんでしまうほど気に入っている)にもかかわらずこう思うのは、「ビューティフル」を筆頭に「図鑑」「花言霊」とアーティスティックに凝りすぎてしまった曲が悪目立ちしているせいかと思われる。
ただアートワークやライブツアーでの凝った演出を見るとやはりこの路線を推したかったことが窺えるし、もしかしたらこのアルバムを通してゆず(というか北川)なりのアートを表現したかった…のかもしれない。
そんな全体の流れの中で聴くと、リリース当時は「なんちゅう地味な曲なんや…」と閉口した「SUBWAY」も古き良きゆずのイメージを踏襲した安心感ある名曲に聞こえてしまうのだから不思議なものだ。やっぱゆずはフォーク路線が一番だ。
結果的に自分の中で「YUZUTOWN」〜「SEES」までの3作を上回ることはできず、2020年以降のゆずでは個人的に最も微妙なアルバムになってしまった…。タダでさえインスト除いたら9曲しかないのだから、もう2、3曲新曲を追加してくれるとより印象が上がったかもしれない。
※ここからファン閲覧注意。
…その点を百歩譲っても、個人的に初めて聴いた時からずっと受け入れられない点がこのアルバムには2つある。
まず、「Chururi」の歌詞に唐突に現れるゆりやんレトリィバァ…これ当初どういう事かと思ったら、その後発表された「伏線回収」のPVにゆりやんが出演したことでリアルに「伏線回収」していたという壮大なネタ…これには発表当時サブイボが立った。もちろん悪い意味で。いや本当にごめん…あの…これ面白いか?
率直に言って自己満足ムーブとしか思えないのだが、当時「スゲー!」と目を輝かせたピュアなファンが果たしてどれだけいるのだろうか…?「Chururi」は名曲だと先ほども書いたがこの点だけは気に入らん。どうせ北川が考えたであろうこのクソ寒い内輪ノリ、止める人物は誰かいなかったのか。いるわけねーか(笑)。
…ええ、一番寒いのはこのユーモアを素直に楽しむことができない自分自身です。分かってます、分かってますとも…。
いやしかし…それ以上に問題なのはついに岩沢曲が1曲になってしまったことだ。北川とは違う視点から心に響くメッセージを紡いでくれる岩沢曲を毎回本当に楽しみにしているのだが、ここに来てついに制作意欲が枯渇してしまったのだろうか…?これでは「どうせ大体北川が何でもやってくれるし俺はペペッと1、2曲作っとけばいいでしょw」などという適当なスタンスで制作に取り組んでると思われても文句は言えないぞ…。

ガチで危機感持った方がいい。厳しいって。
Overture-harmonics- インスト
図鑑 C
伏線回収 B
Chururi A
花言霊 C
Frontier A
つぎはぎ B
SUBWAY A
十字星 A
Interlude-harmonies- インスト
ビューティフル C
総合得点:70点
本音を言うと岩沢曲1曲ポッキリがディスアドすぎるので10点ほどマイナスしたい
